治療期間が短く、痛くない、  そして完治率90%の歯周病治療がここにはあります。

「薬で治す」歯周病治療はご存知ですか?

通常の歯周病(歯槽膿漏)治療は、主に歯磨きの指導とバイオフィルム(歯石や歯垢)を除去、そして重度の歯周病には外科的処置を行うというのがほとんどの歯科医院で行われている基本的な歯周病治療です。
しかし、この治療法では、なかなか歯肉の炎症が良くならず、腫れや出血・口臭で悩まされ続け、最終的に歯を失ってしまう方が少なからずおられます。

これはとても残念な例ですが、このようなことが起きてしまうのは、歯周病(歯槽膿漏)が感染症であるにもかかわらず、原因菌(歯周病菌・カビ)への直接的な対策を行ってこなかったことが大きな要因です。つまり、歯石・歯垢などの汚れを取っても歯周病菌そのものを「除菌」しなければ、またすぐ菌が増えて症状が再発します。だからきちんと歯周病(歯槽膿漏)治療をしているはずなのに、良くならないのです。

風邪をひいたときは、薬を飲んで原因菌を殺菌することで改善しますよね。
実は歯周病も同じことが言えます。
歯周病は歯周病原因菌(歯周病菌・カビ)の働きにより引き起こされます。
つまり、その原因となる「菌」を除去することで歯周病は根本的に改善します。
悪さをする菌がいなくなるので当然ですよね。

院長

このような薬で治す治療法を「歯周内科治療」といいます。この治療法では、「歯周病の原因となっている菌を特殊な顕微鏡で特定し、その菌を薬を使ってピンポイントで殺菌する」という治療を行います。

歯周病菌・顕微鏡

薬で治す「歯周内科治療」の特徴

1.治療期間が短い

治療期間が短いのが特徴です。
1週間で約90%の方が完治しています。
どのような治療を行うのかは、次節でご説明します。

2.「重度」歯周病の方でも治療可能

今までの歯周病治療では、重度の方は歯を抜かなければならない事が多くありました。
しかし、この治療法を行う事で、歯を抜歯する可能性が低くなっています。

3.痛くない

この治療法では外科手術は行いませんので、痛みを伴うことはありません。

どのような治療を行うの?

1.位相差顕微鏡による菌の確認

位相差顕微鏡と呼ばれる特殊な顕微鏡を使い、現在の菌の状態(種類、数、活動性)を確認することで、今はどういう状態なのか、これからどういう状態になっていくのかが分かります。
この結果から治療方針を決定します。

院長

2.治療法の選択

位相差顕微鏡から観察された結果をもとに、次のような対策を立てます。

カビ・細菌の数が異常に多い抗菌薬内服、抗真菌薬(又はカビに効く歯磨き剤)で歯磨き
カビは多いが細菌の数は少ない抗真菌薬(又はカビに効く歯磨き剤)で歯磨き
カビ・細菌ともに少ない感染予防のためのメインテナンスと定期検診

※「抗菌薬」の服用は1日1回で、3日間続けて頂きます。
※「歯磨き剤」は真菌(カビ)を除去するもので、天然成分で構成された安全なものです。
副作用の心配はありません。

原因菌の1つである「カビ」は自然界に普通に存在していて空気中を漂っています。
よって、お口の中に入ってくるカビをゼロにすることはできません。しかし、その数を減らすことはできます。歯磨きをするときにカビを減らすための抗真菌薬または歯磨き剤を使います。

もう1つの原因菌「歯周病菌」には、抗菌剤を服用します。
歯周病菌に特に効きやすい抗菌剤を飲むことで、お口の中の歯周病菌を減らすことができます。

3.歯周病基礎治療

歯垢や歯石を取り除いて清潔にし、細菌の生息しにくい環境に整えます。

4.治療後のメインテナンス・定期検診

薬の服用から1週間後、歯周病菌の減少具合を位相差顕微鏡で確認します。
この段階で歯周病菌の減少が確認できた場合は治療終了になります。

院長

治療後の注意点

歯周内科治療を行うことで90%近くの方が改善します。
しかし、それで安心してはいけません。

原因菌の1つである「カビ」は口腔内常在菌といって、お口の中に必ず住み着いている菌です。たとえ徹底的除去しても、この菌は普通に空気中に漂っていますので、食べ物や手の指などから再びお口に戻ってきます。全滅させることは不可能なのです。

もう1つの原因菌の「歯周病菌」も同様です。
本来、人は生まれたときには、お口の中に歯周病菌は存在しません。
回し飲みや回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなどが感染ルートととして人から人へ感染します。
このなかでも一番感染率の高い行為は、キスなどの性交渉です。
歯周病だけでなく、虫歯も同じで、唾液(だえき)を介して感染することがあります。
だからといって、キスするたびに「この人は大丈夫かな?」などと気にしていては、ムードを楽しめないばかりか、相手を不快にさせてしまいますよね。そうならないためにも、パートナーとのデートに、1回くらいは2人で歯科診療の日を設けてみるのもいいかもしれません。

つまり、歯周病菌をたとえ「ゼロ」にしたとしても、感染症であるため、日ごろの徹底したブラッシングだけでは予防は出来ません。

ですから毎日の歯磨きは当然として、歯科医院における定期検査(菌の確認)とプロフェッショナルクリーニングが大切となります。

コラム-歯周病と全身疾患との関連性

あまり知られていない事ですが、
歯周病はお口の中だけではなく、全身疾患との関連性もあります。
関連性が報告されているものとして次のものがあります。

院長

特に歯周病と関連が深い病気が糖尿病です。
糖尿病の人は、感染に対する抵抗力が弱まっているため歯周病にかかりやすく、重症化しやすいと言われています。さらに、歯周病菌は毒素や炎症性物質を大量に放出するのですが、これがインスリンの効きを悪くさせ、糖尿病を悪化させることも危険視されています。
つまり、糖尿病があると歯周病になりやすく、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいという関係性が存在するのです。

また妊娠中の歯周病の悪化は、お腹の赤ちゃんにも影響を及ぼす事がわかってきています。
低体重児を出産した母親と、正常体重児を出産した母親の歯周病の進行程度を比較した調査では、低体重児を出産した母親の方が歯周病が進行していたという報告があります。また、妊娠中の歯周病をそのままにしておくと、早産の確率が高まることも指摘されています。妊娠中でも歯周病の治療は可能ですので、4~8カ月の安定期に治療を受けることをお勧めします。

このように、歯周病は歯を失う病気というだけではなく、全身疾患にも関連してくる恐ろしい病気という認識が大切です。

たかさき歯科医院 院長 高崎真一

たかさき歯科医院
院長 高崎真一

「歯周病・歯周内科」は
たかさき歯科医院 院長 高崎真一が書きました

  • 1983年 福岡県立九州歯科大学 卒業
  • 1983年~ 奈良県立医大 口腔外科研修医(研究テーマ:口腔腫瘍と顎関節症)
  • 1987年 大阪食糧保険組合長堀病院 口腔外科医長
  • 1987年 たかさき歯科医院開業
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